人生激辛ソムタム

風呂なしアパート20年の日々とタイ・インド

西荻窪のアパート

再度東京に出ると決めたとき、どこに住もうかと考えた。毎週のように見ていたアド街ック天国で、なぎら健壱が京成線沿いを飲み歩いていて、昔ながらの人情や情緒が残っていると言っていたことを思い出した。 お花茶屋は駅名から良さそうに思ったが、実際に歩…

独居日乗 2.28(金)

タイにはじめて行った31歳のときと翌年の32歳のときは、なにをどう撮ればいいかわからなかった。カメラを入れたバッグを持ち歩くだけで、1枚のシャッターを切れない日もあった。怒られたらどうしようという思いばかりが先に立ち、人にカメラを向けるこ…

独居日乗 2.13(木)

「斬進快楽写真家」にこんな一文があった。 「16歳からずうっと強烈なものばかり会ったり、見たりしていたから、今さら自分はもう元の世界には戻れない」 同じだと思った。サラリーマン8年目の夏休みに偶然が重なり急遽バンコクに行った。そのときの体験…

独居日乗 2.3(月)

「世界旅写真展」の審査結果が届く。最終選考まで残って落とされていた。がっかりだが、肉筆で書かれたコメントに少し光明が見えた。 「~ あまり見ない被写体(鳥と人)も魅力的です。あとはこれを活かすのは何よりプリントです。勿体なく思いました ~」 …

独居日乗 1.1(水)

元旦をグループホームで迎える。大晦日の宿直は敬遠していたが、経験してみるとなんでもない。考えようによっては、アパートで寂しく過ごすよりは気が紛れていいのかもしれない。これで2日~6日に休んでも大きな減収にはならない。 今日は利用者が2人しか…

独居日乗 10.27(日)

宿直の朝。6時20分起床。スマホのラジオで「グッチ裕三 朝からうまいぞお!」を聴きながら、折り畳みベッドの上で朝食。パン、リンゴジュース、バナナ、カロリーメイト。土曜日から日曜日にかけての宿直はゆっくできる。平日は6時から朝食の準備と食器洗…

独居日乗 10.14(月)

6時半起床。最近は3時や4時に目が覚めても、ラジオを聴きながら再度眠ることができる。 朝食後ジョギングをしようと外に出るが、雨が強く降っているのを見てまた部屋に入る。少しすると小雨になったので帽子をかぶって出る。距離を短くして速く走る。 帰…

独居日乗 8.17(土)

3時に目が覚め、再度寝ようとするがかなわず起床。なんでこんな早く起きなければならないのか。 パソコンでダンベルを探す。6キロでは不足に感じ重いものを探している。ネジがゆるむなどの口コミを見ては、どれがいいのかと探すことを繰り返している。 6…

独居日乗 8.12(月)

火、木、土の3連続宿直後の休日。4時起床。ゆっくり寝ていていいのに目が覚める。6時からジョギング。若者が善福寺公園でスピードを出して走っている。それを眺めつつマイペースで走る。 睡眠が足りないように思い横になるが眠れず、9時半過ぎに出てブッ…

はじめてのインド (4)

おやじに先導され、また階段をのぼり通路を行く。掃除されていないらしく、壁際に砂や埃が溜まっている。分厚い扉を開けて入る。ツインルームで広い。おやじがエアコンを作動させる。 おやじが戻ってひとりになってから、エアコンの調整のつまみを探すが見当…

独居日乗 8.5(月)

5時半起床。8時45分からジョギング。すでに暑く、また30分で戻る。隣のアパートとの境の塀に布団を干す。 前から気になっていたTinderに登録する。金をかけずにできるところが良さそうだ。出会いを求める気力や体力はもうあまりないが、少しは楽しめる…

独居日乗 8.3(土)

1時に目が覚め、エアコンを切って扇風機の風だけで寝るがまた目が覚め、NHKの深夜便を聴きながら眠っているのか起きているのかわからないまま5時起床。 暑いし外出の用事があるのとで、迷いながらも7時20分に走りに出る。体力を温存したくて30分で…

独居日乗 7.29(月)

5時半起床。昨日早く寝たおかげで体調いい。7時50分からジョギング。先週苦しかったので、脱水状態になったときに備え200円を小銭入れに忍ばせて走る。 善福寺公園の土にモズの出た穴を見つける。気になってモズを調べてみると、地域によって呼び方が…

歯医者の思い出(2)

歯医者には苦しめられてきた。 大学時代にも苦しめられた。当時は情報が手に入らない。腕の良し悪しはネットではなく、本当の口コミに頼るしかない。下北沢に住んでいた友人が言った。 「酒屋の角を曲がったところの歯医者がいいぞ」 「なにがいいんだ?」 …

歯医者の思い出(1)

歯医者には苦しめられてきた。 はじまりはYゾエ歯科だった。 小学校3年生の歯科検診で、奥歯にバツをつけられた。C1だとかC2なら削って終わるが、バツは抜歯だ。おびえながら母に訊いた。 「これどうしたらいいん?」 「抜かんとだめらわ。ヨシゾエに…

バービアの蝶

タイ、パタヤ。普段は閑散としているバービアだが、ダンサーがいる日は賑わう。きわどい衣装の女たちが、イサーンの歌に合わせて踊る。煽情的なダンスで、見ているだけで華やいだ気持ちになる。 そんなダンスをAeと見るのは楽しかった。カレッジを卒業してい…

はじめてのインド(3)

21時に横になるが、ドアの外が騒々しくて眠れない。それでもいつのまにか眠っていて、0時に目を覚ましたときは静かになっていた。 7時に部屋を出る。鍵を返しに行くと、従業員の子供たちが、フロントの後ろの狭いスペースで折重なるようにして眠っていた…

タイの公衆電話

携帯電話がまだ一般に出まわっていない頃、タイで電話をかけるのは大変だった。安宿の部屋に電話機はなく、必要なときは公衆電話を使うしかなかった。 が、騒音のひどい大通り沿いを避けて探すと、なかなか見つからない。やっと探し当て、使おうとすると壊れ…

パタヤのスターバックス

混んでいるので日本ではほとんど入らないスターバックスに、タイでは入る。 最近はパタヤも、インド人や中国人が増えて混んでいるときがあるが、それでも日本よりは落ち着いて過ごせる。 この日もコーヒーを飲みながらくつろいでいると、どこかで携帯が鳴っ…

はじめてのインド(2)

TOURIST INNという宿を予約していた。ホテルの予約はめったにしないが、今回はしていた。フロントと思われる古びた事務机にいる若い男に、予約してある旨と名前を言う。が、満室だと返される。こういうこともあるだろうと、プリントアウトして持ってきた予約…

はじめてのインド

インドへはじめて行ったのは2011年。44歳のときだった。バングラデシュに行ったことはあったが、インドは知らないままで、それではアンバランスだという思いがあった。バンコクからエアアジアが就航し、安く行けるようになっていた。 が、しだいに行く…

会社国家ニッポンの闇—ある派遣労働者の独白⑩

ビジネス情報誌BizAiA!に、会社国家ニッポンの闇—ある派遣労働者の独白⑩ を書きました。 http://bizaia.asia/yamijapan10/

扇家食堂 2016.4.23

天気のいい日に井の頭公園でくつろぐ。アパートから歩いみると40分。 スーパーで買ったコーヒーを飲みながらベンチに腰かける。 木漏れ日のなか、失業中のいま暇に任せて取り組んでいる英語のテキストに目を落とす。TOEICの試験を受けてみたいと思い…

ビーチで見つけた写真 

パタヤビーチで砂にまみれた写真を見つけた。本人が捨てたか落としたか、撮った業者が売れ残りを放ったものか。わからないが、眺めているといろんなことが想像される。 パンツの色から連想すれば中国人だろう。海外旅行をできるぐらいだから貧乏人ではない。…

会社国家ニッポンの闇—ある派遣労働者の独白⑨

タイで編集発行されているビジネス情報誌に連載しています。 会社国家ニッポンの闇 ──ある派遣労働者の独白⑨ - BizAiA! Asia(ビザイアアジア)

ROOM RENT

2001年5月。はじめてのパタヤ。ガイドブックにあったレックスマンションに向かう。行ってみるとハイシーズンで値段が上がっている。エアコンの部屋が560バーツ。探せばもっと安い部屋が見つかるのではないか。 荷物を担いで歩くが、暑くてすぐに疲れ…

パタヤを楽しめる年齢

タイへ行けばパタヤに滞在するようになったのは、6年前からだ。 はじめて行ったのが、タイに2か月滞在した2001年のとき。それから2~3度滞在してみたが、そのたびにここのどこがいいのかと首を傾げていた。 バービアに入ってみても白人たちのように…

タイのタクシー

2017年3月13日。インド5回目にしてはじめてのデリー。バンコクのホテルを午前3時に出てタクシーで空港へ行く。 高速道路を走っていると、運転手が段ボールが荷台から落ちそうになっているトラックを見つける。年輩の運転手。親切なのだろう。クラク…

はじめてのソムタム

ソムタムをはじめて食べたのは、2003年6月23日。タイを3か月かけて歩いたときのウドンターニーでだった。 宿の横がステーキ料理の店だった。たまには豪華な夕食で栄養をとろう。メニューを見るとソムタムがある。ガイドブックには確か、東北タイの料…

旅日記 2003年7月31日

ゲストハウスには便所が3つしかなかった。混雑するのが嫌で5時に起きる。ところが朝食の時間を過ぎても混んでいる様子はない。白人は朝便所に入る習慣がないのか? 夕方小学校の敷地の隅で卓球をしている少年たちを見つける。仲間に入れてくれ、少年相手に…