人生激辛ソムタム

風呂なしアパート20年の日々とタイ・インド

はじめてのインド(2)

TOURIST INNという宿を予約していた。ホテルの予約はめったにしないが、今回はしていた。フロントと思われる古びた事務机にいる若い男に、予約してある旨と名前を言う。が、満室だと返される。こういうこともあるだろうと、プリントアウトして持ってきた予約済みの返信メールを見せる。すると若い男は横にいる荷物運びのおやじたちを怒鳴りはじめる。このおやじたちがどう関係しているのかわからないが、ことの展開を期待して待つ。が、若い男はおやじたちを怒るだけで埒が明かない。

諦めて外に出ると、荷物運びのおやじが追ってきて、スーツケースを頭に上げて運んでくれる。ついて行くと近くのホテルに入っていく。人を紹介すれば金をもらえるのだろう。居心地良さそうならそこでもよかったが、フロントまでの通路が狭く、フロント自体も安っぽくそんなふうでもない。

HOTEL SHAMSに行かせる。TOURIST INNの次の候補としてメモしていた。フロントは12~13歳ぐらいの子供だが、対応はしっかりしている。訊くと800ルピーだと言う。TOURIST INNより大幅に高いがエアコンがある。一泊分払うと、きちんと領収書をくれた。

部屋に荷物をおろし、ひと息ついた。フロントでさっきチョコレートをもらったことを思い出し、包みを開ける。ホワイトチョコレート。疲れているときは甘いものがうまい。インドの旅は危惧したとおり大変だが、変なところで気が利いている。ひと口かじると、それはチョコレートではなく石鹸だった。