人生激辛ソムタム

風呂なしアパート20年の日々とタイ・インド

はじめてのインド

インドへはじめて行ったのは2011年。44歳のときだった。バングラデシュに行ったことはあったが、インドは知らないままで、それではアンバランスだという思いがあった。バンコクからエアアジアが就航し、安く行けるようになっていた。

が、しだいに行くのが億劫になり、当日も早起きはしたものの出かけるのが面倒で、ぐずぐずしていた。このままタイにいれば楽しく過ごせるのに、なんでわざわざ大変そうなところに行かなければならないのか。

しかしせっかく取ったビザや航空券を捨てるのも惜しく、渋々空港に向かった。内心ではなにかトラブルが起こり、フライトが中止になればいいと思っていた。

願いは通じず、なにも起きないまま機内に腰をおろしてしまう。が、やっぱり行きたくない。このままタイにいたい。体調が悪くなったと言って降ろしてもらおう。言い出す機会をうかがっているうちに、飛行機が動き出す。

もう引き返せない。

それがわかった瞬間、治ったはずのパニック症の発作が起きかけた。